散歩道<2458>
 
                             経済気象台(358)世界一奪還への道

 風光明媚な観光地に、世界中の目が注がれた北海道洞爺湖サミットが終わった。
 成果には様々な意見があるが、サミットの前に発表されたいわゆる「福田ビジョン」は、地球温暖化問題解決へ向け日本が取り組むべき方向性を示している。
 太陽電池の普及については「20年までに現状の10倍の導入を目指す。そのためには新築持ち家住宅の70%以上が太陽光り発電を採用しなければならないなど具体的な目標が示されている。
 日本では94年度から05年度にかけて、住宅用太陽光発電の設置コストの一部を、政府が補助する制度を導入。1300億円以上を投入した結果、太陽電池は大幅に拡大し、日本のお家芸として長年世界一の導入規模を誇ってきた。
 しかし補助制が終了し、大胆な支援策を打ち出したドイツに世界一の座を奪われてしまった。太陽電池の生産量でも、昨年トップの座をドイツ企業に奪われてしまった。
 環境意識の高まりに加えて原油高もあり、太陽電池市場は世界で急拡大している。福田ビジョンは、この急成長分野で世界一の座を奪還することを掲げているが、実現へ向けての道のりは、決して平坦ではない。
 政府は、太陽電池を普及させるにあたり、今は平均で230万円程度のシステム価格を、3〜5年で半減する必要があるとしている。だが、原材料高などの逆風が吹いている。地方自治体や電力事業者も含め、一体的な取り組みが不可欠である。
 ドイツでは政府が主導して、太陽光発電による電力を通常より高値で電力会社が買い取る制度が導入された。今こそ、長期戦略に基づく思い切った施策を期待したい。


'08.7.19.朝日新聞