散歩道<2455>
けいざいノート・続く原油高(2) (1)〜(3)続く
日本にできることは何か 新しい「構造改革」
○ ○ ○
その間に日本にできることは、なんだろうか。
原油などの価格変動に対して耐性のある経済構造になるように経済の体質改善を進める。そして、短期的な価格変動の悪影響を緩和する政策を取るしかない。 ガソリン価格の高騰や漁船の一斉休漁など、原油コストの上昇は日本経済に深刻な影響を与えている。今回の最大の特徴は、原油高は日本経済の外からやってきた問題であり、90年代の長期不況のような内発的の問題ではない、ということだ。いってみれば、原油や食料に対して急に外国から「税金」をかけられたようなものである。
こういう外発的の問題に対しては、短期の政策として、価格変動の影響をならしてスムースにする財政政策は正当化されるかもしれない。つまり、異常な高騰が続く間に限って石油やガソリン関連の税を減税したり燃料費への補助金をだしたりして、生産者や寒冷地の家計を助ける、その後、価格高騰が収まったら増税して長期的にコストの平準化する、という政策だ。
しかし、米国の金融混乱による異常な価格高騰がおさまっても、原油価格が長期的に上昇する、という構造問題は続いていく。
価格上昇にともない、日本から資源国への所得移転は増えていくだろう。その資金を日本にどうやって還流させるかが課題だ。資源国にとって魅力的なビジネスを日本国内で発展させ、オイルマネーの投資を呼び込むような産業構造を作ることが必要だろう。
また、原油高で輸入品の価格が上昇しているのに、その分を輸出に適正に価格転嫁できていない、という構造問題もある。
環境技術やブランドを付加価値として輸出し、適正な価格転嫁ができる産業構造にしなければならない。
'08.7.26.朝日新聞・経済産業研究所上席研究員 小林慶一郎氏
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