散歩道<2454> 

                        けいざいノート・続く原油高(1)                  (1)〜(3)続く  
                          
日本にできることは何か 新しい「構造改革」                            

 今回の原油高騰は、長期的な構造金融と(恐らく短期的な)金融金融の二つが絡み合って起きている。
 もともと中国やインドの急激な経済発展にともなって、原油などの資源価格に対する上昇圧力は高まっていた。04年から需給はさらに構造的に悪化し、ここ4年ほど原油価格は上昇のトレンドが続いていた。
 そこに、昨年夏以降の金融不安が重なった。サブプライムローン
*1低所得者向けの住宅融資の焦げ付きによって、米国の金融機関は多額の不良債権を抱え、経営不安に陥っている。
 今年春には大手投資銀行のべアー・スターンズが実質的に破綻し
(はたん)、さらに今月になって、米国の政府系住宅金融会社2社が救済する事態になった。必要に応じて緊急融資と公的資金の注入を行うという。
 米国の金融不安をうけ、米国経済(特に住宅)に投資されていた大量の投資資金が原油や穀物の市場に流入し、原油と食料の価格を急激に押し上げている。
 金融不安が、ここ数ヶ月の急激な高騰の引き金になっていることはおそらく間違いない。その解決には米国の金融システムが一刻も早く健全化されることが必要だ。住宅金融会社の救済を皮切りに、この夏から米国の金融界はさらなる大変動に見舞われるだろう。混乱は短くて数ヶ月、長ければ数年続く。金融の混乱がおさまって投資資金の流れが正常化するまでは、原油価格も不安定な動きが続くと覚悟しなければならない。

'08.7.26.朝日新聞・経済産業研究所上席研究員 小林慶一郎氏

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