散歩道<2400>

                      私の視点・とばの教育(1) 「スピーチ学」を採り入れよ             (1)〜(2)続く

 英悟のスピーチコンテストの審査に携わっていると、何をどう指導したらいいのか、ほとんど理解されてない事が伺える。明治以来、学校の正課で「スピーチ」が取り入れられてこなかったから、やむお得ないのかも知れない。だがこれでいいのだろうか。報道によると、文部科学相の諮問機関である中央教育審議会が高校での「コミュニケーション英悟(仮称)を打ち出した。早ければ12年度から導入し、読む、聞く、話す、書くの4技能を総合的に育成するという。この機会に、私は英語だけでなく国語も含めた、徹底的な「ことばばの教育」に転換することを提案したい。
 参考にしたいのが、西洋の伝統であるスピーチ学に基づいた教育だ。人前でまとまったことを話したり、ディベートを行ったり、朗読・演劇的手法を取り入れたりする教育である。
 英会話は、英会話としてだけ練習させていても出来るようにはならない。英語であろうと日本語であろうと、表現力の強化には、まず豊かな言語を入力する必要がある。入金もしないで銀行のATMをたたいても、お金は出てこない。
 隋筆、評論、小説、詩、戯曲
(教科書の文章や受験参考書の長文朗読の文章もいい)など、これはと思うものを何度も朗読させる。単にCDなどの模範音声のマネではなく、生身の人間が書いたものだという意識を持たせ、「生きた語り」としてじっこうさせるのだ。
 

'07.12.19.朝日新聞・南山短大教授・日本コミュニケーション学会会長・近江 誠氏

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