散歩道<2397>
グローバリズムの正体(2)・@ 民主政治・ 企業に重み、弱者の声届かず (1)〜(3)続く
○ ○ 国家超えられず
・・・・・ポスト・デモクラシーとは、「民主政治が終わり、その後の社会が来る」ということでしょうか。
「それは違う。私が言うポストとは『ポスト冷戦』(冷戦後)のポストではなく、「ポスト・インダストリアル・ソサイティー」(脱工業化社会)のポストと同じだ。脱工業化社会でも工業そのものは終わらないように、民主政治そのものが終わるわけではない。民主的な政治の実態が変質していくという意味だ」・・・・・グローバル化と民主政治の関係は、どうなりますか。
「民主政治はグローバル化によって挑戦を受けている。民主政治は国家の枠を超えられないが、経済のグローバル化ははるかに広大な規模で展開している。国家は国民に公的なサービスを提供することは出来るが、グローバル企業やグローバルな空間を統治する手段を持っていない。国家は適正な規模とはいえなくなってしまった。だがそれに変わるものがない.欧州連合(EU)は現時点ではもっとも先進的な政体だが、加盟国自身が『自分たちのほうがEUより民主的だ』と主張している。現時点では民主政治はグローバル化のスピードについていない、という事実を受け入れなければならない」
「グローバル化によって民主政治が発展するケースもある。例えば中国政府が人権問題に対処するようになったのは、国際社会が存在し、国際世論が力を持つからだ。第三世界の人々の生活条件や労働環境の向上も同様だ。これはグローバル化の明るい面といえる。グローバル化とは否定的な変化と肯定的な進化が入り組んだ巨大な混合物だ」
・・・・・日本では格差拡大が問題になっています。特に若い世代が不安定な労働環境に置かれていますが、彼らはばらばらで、声が政治に届いていません。
「ヨーロッパでも共通している。労働組合が弱体化し、労働者はかってのように組織化されていない。不満をだいても政治的に強い発言力をもてない。政府や政党が突き上げられることもない。格差はさらに広がっていくだろう」
「雇用に不安を抱く若い世代が雇用問題で組織をつくろうとしても困難に直面する。しかし環境問題や人権問題への姿勢を見れば、彼らが我々より政治的に関心が薄いとは思わない」
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'08.6.23.朝日新聞・英ウォーリック大ビジネススクール教授・コリン・クラウチ氏