散歩道<2396>
グローバリズムの正体(1)・@ 民主政治・企業に重み、弱者の声届かず (1)〜(3)続く
・・・・・民主政治が変質し、「ポスト・デモクラシー」(脱民主政治)に向かっていると論じて日本でも注目されました。教授が考えるポスト・デモクラシーとはどういう社会でしょうか。
「民主的な制度や組織はこれまでと同じだが、政治を動かすエネルギーが民主的なものではなくなってしまう状態だ。見た目は今と変わらない。議会はあるし、普通選挙が行われる。投票結果によって政権交代もあるだろう。だが中身は違う。多国籍企業やビジネスエリート層が重みを増し、彼らの意向が政策に反映されるようになる一方、貧しい人々の声が政治に届きにくくなる。政党は弱者の声を聞くのではなく、大衆に政策を支持するよう求める存在になる」
・・・・・背景にグロバル化があるとみていますね。
「そうだ。経済のグロバル化が進み、多国籍企業は巨大化した。売上高や雇用、税収は各国にとって重要であり、政府や政党は彼らの主張に耳を傾けざるを得ない。出て行かれては困るからだ。企業は税制、労働政策に不満があれば、国外への移転をちらつかせるかもしれない。情報技術(IT)と交通手段が発達し、今や資源や部品の入手はどこでも容易になっている」
「多国籍企業は国や社会に深く関係しているわけではない。選挙権もない。その企業が現実の政治に影響力を及ぼす。それがポスト・デモクラシーの特徴だ。グローバルな競争をくぐりぬけた企業の力はさらに強まり、各国でより大きな影響力をもつようになる。政府は結果的にグローバル化に協力することになる」
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'08.6.23.朝日新聞・英ウォーリック大ビジネススクール教授・コリン・クラウチ氏