散歩道<2394>
グローバリズムの正体(2)・@ コミュニケーション・多言語・多文化進む日本社会 (1)〜(3)続く
○ ○英語下手は文化
・・・・・「わが子には英語で苦労させたくない」という親の期待も強いですね。
「そうですね。でもどうでしょうか。『英語は大事だ』って皆様言いますが、日本には『ぺらぺらしゃべるのは軽薄』『おしゃべりだと見られたくない』という価値観があるでしょう?家庭でも学校でも「静かにしなさい」「先生の言うことはちゃんと聞きなさい」としつけられる。そういう価値観の中にいる日本人の子供達が、英悟の授業だけ『積極的にコミュニケーションを取りなさい』とか『しゃべりなさい』とか言われても、実際はなかなか難しい。私は日本人が英語が下手なのは、日本人の言語観や文化からきているものだお考えています。ですから、あながちだめだとは言えない」
・・・・英悟は出来ないよりで出来た方が・・・・・
「もし、どんどん英悟で話すような子供に育てたいのなら、アメリカ型コミュニケーションが世界基準でいいというのなら、親として生意気な子供になることを覚悟しなければならないですよ。先生に『それ違う』とか、いちいち反論する子、ああいえばこういう、そんな子です。生意気な子に育ったら、『ああよかった、うちの子は国際的なコミュニケーションが出来るようになったんだ』と安心したらどうでしょう。逆説的ですが」
・・・・アジアの人たちとの会合など、米英人がいない場で英悟が使われるケースが増えています。国際共通語としての英悟と、米英の文化を背負った英悟は分けて考えるべきでしょうか。
「難しい問題です。私は基本的には言語と文化は切り離せないと考えています。言語は文化そのものですから。でも、アメリカでしか使わない言い回しを『本場の英悟』『生きた表現』として教えるのは、共通語の観点から見ればおかしい」
「私が注目しているのは、発音や文法で英悟の中心になるものを抽出して、これが崩れたら英悟ではなくなってしまうというものを見つけて、それを英悟教育で教えよう、という研究です。これが成功したら面白いですね」
「地域のなまりは勿論あっていい。でも、それぞれの自己流の発音が行き過ぎたら、共通語として機能しなくなります。日本人も含めた世界各地の、英悟を母音としない人たちが実際にどういう発音で、どういう表現を使おうとお互いにわからなくなるのか、そういう研究もあります」
'08.5.26.朝日新聞・立教大教授・鳥飼玖美子氏
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