散歩道<2385>

                       美術展・京都美の探訪・名作の四季・自然と風物

 ウイークデーという事もあり、観客は少なかった、はっきり言って広告用に作られた一面に描かれた絵が実のところ実物を見ても一番興味引かれる絵であった。松園さんの「夕暮」や、三輪晁勢さんの「木屋町」が美しさ、きらびやかさ、大きさからも他を圧しているように見えた。宇田荻邨の「鴨川の夕立」は定規で測られて描かれた絵に見える。小松均「大原風景」は小さい頃からここがすきであるという言葉通りの家が積みあがったような、感じがする絵である。向井潤吉「洛北暮雪」は写真のように見えるが、実物はそうでなく、絵具がたっぷりとのった雪の重みが感じられる絵であった。三尾公三の「嵯峨の幻想」は絵に人の臭いを残さないため、スプレーを吹きかけ描いたと説明されている。「木津川」の川辺の細かい砂と、水面の色が実にうまく描かれていたように思う。弘田多津「舞妓」は実に若く、現代風の舞妓の様子が観ていて楽しい絵だ。祇園祭りを画家が描く時はいつも華やかな気持ちになって描かれるのだろう、汗が吹き出ているようなものも感じる。木屋町や祇園の街に夜の灯りがともる絵はここに集まった人たちの400〜500年前から楽しい思い出があったのだろうと、ふと考えて楽しくなる。上村淳之さんの余分のものが凡てはぶかれた鳥の絵、日本海で漁師が引き上げる大魚の水揚の色が金箔で描かれたものは印象に残った。「北山杉」はタイトルは全く同じだが、麻田浩、福田翠光の作品は全くイメージの違う絵である。又、秋野不矩さんの「上代松」は大変興味引くたいまつの作品であった。
 以上京都の四季に関係する景色や、建造物、植物、自然など画家を代表する作品だけあって、どれも力一杯に描かれたものだと思う。

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備考:京都文化博物館、2008年7月21日まで