散歩道<2386>
                                  
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                  面白い文章(11)・平山郁夫様平成の洛中・洛外大陸文化のDNAの結実描いた             

 平山郁夫様が京都に取材した「平成の洛中・洛外平山郁夫展」を開かれた。大陸文化を吸収し、日本文化を形成した京都の平成版「洛中・洛外図」を壮大に描いた。「京都を描く構想は実は30年近く前からもっていました。大陸からの文化が飛鳥、奈良時代を経て徐々に日本的になり、平安時代に完全に日本人の感性を表現する文化に転換した。その道をたどりたかった」。昭和34年の作品「仏教伝来」は広島での被爆の後遺症に苦しんでいた時期、平和をモチーフに悲惨さを美の世界に浄化した作品です。それから、仏教の東漸、どう日本に渡ってきて、どう消化されたかをテーマにしてきた」
・・・・・仏教伝来・仏画の源流を探るシルクロード取材は200回近い。
「仏教・仏像はヘレニズムやペルシャ文化などの影響を受けながら、中国、朝鮮半島経由で伝来。仏の顔はいろいろの文化のDNAを受け継いでいる。奈良法隆寺の伽藍配置はまだ大陸様式だが、平安の京都になると、寺のつくりや芸術表現にも日本の個性が出てきた。そんな大陸からの文明の結実が京都というわけです」。
・・・・・シルクロードから大和路・吉備路の古代日本シリーズを経て、平成の洛中・洛外図に至った。内なる「浄土」を求める旅にも見えます。「
(メーンとなる四曲一双の)屏風には右隻に京都御所を、左隻に二条城を中心においた。文化的な権威と政治権力の共存。世界にも珍しい日本の知恵ではないか。戦乱を乗り越えてきた街をあらわすように、周辺には金閣寺、銀閣寺や清水寺、そして近代的なビルも配している。展示では、屏風の左右に平等院・鳳凰堂と日野・法界寺の「浄土幻想」を描いています」
・・・・・ヘリ取材5回、製作に3年。著名な寺社と人物の作品も光彩を放っています。「よく知られている寺社や自然をどう表現するか、歴史や雅
(みやび)感を感じてもらえるように描いた。鞍馬や火祭りの取材では、政治権力が変わっても、伝統を支えてきたのは町衆・庶民という、その人たちの誇りを実感した。
・・・・・日中友好、北朝鮮の高句麗遺跡の世界遺産化、バーミヤン大仏の修復支援にも尽力しています。日本は欧米から学んだが、その前の2千年はアジア、オリエント文化圏。中国と韓国は隣人です。なぜ教科書検定などで不協和音を立てるのか。国益は何もない。北朝鮮とはユネスコ親善大使の私が細いパイプ。戦争で迷惑かけたのだから謙虚になって少なくともアジア文化共同体をめざすぐらいの気持ちぐらいないと戦死者に申し訳ない」
・・・・・重層的な京都文化、アジア文明への遥かなる思いを感じます。「守る所は守りながら、少しづつ形を変えてゆく、それが京都文化。これからはシルクロードものの総決算と、京都・奈良の日本の美の追求。無心の境地で、見る人が希望をもてるような絵を描きたいですね」。


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