散歩道<2348>
グローバル化の正体(3)・@米国経済・効率追い所得分配を悪化 (1)〜(3)続けます
○ ○米モデルに限界
・・・・・グローバル化で企業の税金は軽減され、個人への課税に偏りがちです。
「企業の(生産拠点などの)決定が機動的になった現在、歳入を増やす手段として企業への課税を考えることは有効でなくなった。国際競争力の圧力で法人税を下げた例もある。高水準の福祉国家が所得や消費への課税で歳出の大きな部分をまかなっているように、そうした現実は認めなくてはならない。米国で十分な社会保障を築くにはかなりの歳入増が必要で、(連邦)消費税の導入が必要だが、政治的にとても困難だ」
・・・・時間がかかると。「チェルシー・クリントン*1(クリントン前大統領夫妻の娘)政権の頃になって、ようやく実現するくらいかもね(笑い)」
・・・・金融危機とグローバル化との関係は。
「中国からの資金流入が金利低下を加速し、低所得者向け(サブプライム)*2融資ブームに油を注いだ面がある。だが金融機関の破綻がグローバル化のせいだとは言えない。これは基本的にウォール街の取引の複雑化に由来する危機で、米国産の現象だ」
・・・・危機への対処法は。
「システムの信頼回復と再構築で危機の再来を防ぐと同時に、崩壊を止めることが必要だバーナンキ米連邦準備制度理事会グローバル化(FRB)議長がやっている市場介入と支援で足りなければ、公的資金で金融機関の資本注入をしてでも、30年代の大不況の再来を防がねばならない」
・・・・日本については。「日本の景気は回復したが、それは経済政策のおかげではなく、技術革新が進み、投資が望ましい水準に戻ったためだ。しかし、日本経済はまだデフレのがけっぷちにある。経済をさらに上向かせるには、日銀が2%強の物価上昇率を目標に揚げるよう私は提案してきたが、今も同じだ」
「米国モデルは90年代に成功したが、もはやうまくいっていない。何でも米国のまねをしたいなどと思うべきではない」
'08.5.12.朝日新聞・米プリンストン大学教授・ポール・クルーグマンさん
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