散歩道<2347>

                 グローバル化の正体(2)@米国経済効率追い所得分配を悪化             (1)〜(3)続けます
                       
○ ○組合つぶし容認
・・・・教授の近著『リベラルの良心』では、平等の上に豊かな社会を目指すニューディル政策の伝統に共和党が背を向けたことが、賃金停滞と不平等拡大をまねいたとしています。
 「米国の不平等については、他の先進国以上に政治が最大の要因だ。勿論技術革新や貿易などの要因もあり、その背景にグローバル化がある」
 「英国でサッチャー時代に拡大した貧富の格差がブレア政権下で縮小したように、政府の役割りは大きい。米国ではレーガン以降の共和党政権下で、企業は労組に攻撃的姿勢をとっていいと考えるようになった。組合を作ろうとした労働者を企業が次々と解雇した。それが組合つぶしの空気と賃金停滞、格差拡大につながった。60年代に米国の代表的企業だったゼネラル・モーターズには強い労組があったが、現代を象徴する小売り最大手ウォルマートには、それがない」
・・・・共和党のイデオロギーは保守主義ですか。
 「そう。裕福な人々の税金を軽減し、社会保障のプログラムを減らすことを目指す動きで、基本的に不平等を拡大するものだ」
・・・・是正のため、医療保険制度の確立による所得再分配を提唱していますね。
 「米国のセーフティネットは他の先進国に比べて極端に弱いから、強化すべきだ。とりわけ重要なのは、国家的な医療保険制度を持つことだ。底辺の不平等を改善し、貧困の削減に大いに役立つ。一方、労働政策を変更し、労働者が組合を組織しやすいようにすることも必要だ」
・・・・国際競争で各国の賃金水準が接近しますか。
 「世界は決してフラット
(平ら)ではない。先端技術を担える人材がいるところと、そうでないところでは投資に差がでる。米国と中国の製造業の平均賃金が将来は同等になるとしても、それは何十年も先のことだ。中国の製造業の生産性は先進国の10%以下だから、中国の賃金が上るにしても限度がある」

'08.5.12.朝日新聞・米プリンストン大学教授・ポール・クルーグマンさん