散歩道<2331>

                 グローバル化の正体(1)@ナショナリズム・均質性が生む・「不仲の双子」         (1)〜(3)続く
                         しばらくこのグローバル化のテーマを続けたいと思います! 
                                                      
・・・・・日本を始め世界各国で近年、グローバル化に対抗するようなナショナリズム台頭の動きが見られます。日本のナショナリズムの形成を研究してこられた立場かグローバル化とショナリズムの関係をどう見ていますか。
 「対立すると言われがちですが、私は中の悪い双子のようなものと考えています。療法とも、交通通信技術の発達に基づく均質化と資本主義化の産物です。ただ、均質化が国内でなされるとナショナリズムと呼び、国際的になされるとグローバル化と呼ぶ」
 「ナショナリズムが均質化だというのは、『薩摩の武士』も『水戸の農民』も『日本人』となったことを考えれば分ります。身分差や地方差をなくして国内を均質化するのがナショナリズムです。日本では明治維新以降に身分制をなくし、ナショナリズムが成立しました。そして均質な『日本人』を作るため、国定教科書や天皇の『御真影』を普及させた。これは、大量複製技術や交通の発達なしには不可能なことです」
 「一方で明治維新の契機は黒船の来航でした。これは、蒸気船や電信などの交通通信技術の革新の結果で、一種のグローバル化です。それによってナショナリズムが喚起され、同じ技術を使ってナショナリズムが作られたのです。また、ナショナリズムの作り方はどこも同じです。明治政府も西欧から文化財保護政策などを学んでナショナリズムを形成した。どの国の国立博物館も独自の文化や歴史があると主張しますが、展示の仕方は同じです。ナショナリズムの形成そのものが、グローバル化の結果ともいえます」

'08.3.17.朝日新聞・慶応大学教授・小熊 英二氏

関連記事:散歩道<1557>歴史と向き合うナショナリズムを超える(1)〜(5)<検>政治、