散歩道<2329>
グローバル化の正体(2)・@文化 モデルなき時代波つかめ (1)〜(3)続く
○ ○中心が拡散する
・・・・・突き詰めると、私達はどんな時代を迎えようとしているのでしょう。「歴史的には、近代は、三つの大きな波を体験した。アジアから見ても、最初が16世紀以降に広がった西欧勢力による植民地化の波、ついで19世紀からの近代化の波、それは西欧化の一面もあるが、封建制からの脱却や科学的合理主義などの志向で、社会主義モデルもその一つだ。そして世界システムの一元化を目指して東西陣営が競い合った20世紀半ばからの冷戦。90年代初頭に東側が崩れて冷戦に終止符が打たれ、本格的なグローバル化時代に突入したが、それは文化の面でも米国の一極化になったわけではない。中心がない多極化だ。どこにも中心が拡散し得る状況になった。それが、情報化が促すグローバル化の性格である。しかも双方向で響きあう循環構造。それが又新しい変化の波を引き起こす。ところがグローバル化という巨大な変化の波は規模もレベルも人類史上初の体験で、どこに向かうのか、そのモデルがない。いまだ見えていない。手探りだが、それでいて抗しきれない変化の流れだ。とすれば、受動的でなく、その波をつかみ、波を自らも生み出すよう積極的になるべきだ」
・・・・それぞれの文化的な魅力が問われます。「私は、東西対立でソ蓮が敗れたのは、ソ蓮時代のロシアが軍事力などハードパワーに頼り、ソフトパワーである文化発信に熱心でなかったことにも大きな原因があると思う。米国の国際政治学者ジョセフ・ナイ教授がいうソフトパワー論は米国中心の国家戦略に立っているが、その文脈から離れて文化に引き付けてみれば、同感できる。ナイ論文が国内のあり方と国際的なイメージが連結していることを指摘した点は重要だ」「同じ朝鮮半島でも韓国はソフトパワーを重視するようになり、韓流文化の発進を後押ししたが、情報閉鎖社会の北朝鮮は逆を向いている」
'08.3.10.朝日新聞・文化人類学者、文化庁長官・青木 保さん
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