散歩道<2320>

                          経済気象台(324・考えることをやめた国

 世界の目で日本を見ると、おかしなことだらけだ。減税して、国民に多大な混乱を生じたと陳謝する首相。年金を必ず払う、と過分な期待を抱かせたと陳謝する首相。政治の混乱は野党のせいだ、と言いつのる首相。
 いずれも舞台を外国で考えれば、違った展開になる可能性大だ。減税は国民が歓迎する。それで消費が増えれば、増収要因だ。税収が減るなら、ムダ歳出削減を断行する。ガソリン消費が増えて地球温暖化の害が高まるというのなら環境税導入の議論に進めばよい。いずれにせよ考え方は前に進む。
 年金の保険料を払ってきた国民が、受給する年になると、払っていないから支給しないといわれる。それが大規模になれば、外国なら、国民の安心を保障する基礎が揺らぐ国家の重大な事態だと考え、抜本的な対策を採ろう。
 政治の乱れは、世界の目で見れば自民党一党の弊害が噴出しているのに、二大政党の体制が育っていないから起こる。外国なら、野党を育てよと考える。与党も改革で選挙に勝ったのなら、改革を更に続けようと考える。財務省も、外国なら改革のリーダーと考えるので、中央銀行総裁にもなる。  世界では当然のことを、日本では考えることをやめてしまったのか?この考えながら、関西までドライブ旅行した。世界から見れば、東名は2車線で時代遅れだった。つくるのが必要な道路もあるということか。社会保険労務士の知人は、アスベスト、労災、年金、保険で地域の人々を献身的に助けていた。彼らのように草の根で支える者がいなければ日本は崩壊する、と言う。考えることをやめた国は、世界からも地域からも見放されると実感した。株も下がるわけだ。

'08.4.19.朝日新聞


関連記事:散歩道<検>経済気象台