散歩道<2319>

                         経済気象台(323)・東京崩壊の始まり

 東京への人の流入が続いているようである。しかし、東京の役割りはある意味で終わっており、いまやその崩壊が始まりつつあると考える。理由は次の通りである。
 まずあげられるのは、霞ヶ関を中心とする官僚組織の腐敗だ。財務、厚生労働、防衛、国土交通省などで、問題が相次いで発覚してきた。調べれば調べるだけ、これらの組織は不正の塊のように見えてくる。しかも、当事者に自省自浄の意識はほとんどないようで、様々な釈明に終始している。長いこと「お上」として、「誤りのない存在」として君臨し続けた結果、不正が常態化していると断ぜざるを得ない。明治以来、近代国家成立への最大の功労者はその仕事を終え、老残をさらしている。
 民間企業も同じだ。一極体制のもとに出来上がった東京中心の経済は、危機を迎えている。企業の「意識」で言えば、明治以来の「キャッチアッププロセス」がおわったにもかかわらず、この巨大なエピゴーネン
(模倣者)の群れは、いまだに古き良き夢にこだわり続けているように見えてならない。
 新しい日本は、地方から始まりつつある。中京地域の自動車産業、関西地域でのデジタル家電産業などは世界のイノベーションエンジンとなった。東京勢は好むとこのまざるを問わず、西へのシフトを余儀なくされてくると考える。
 例えばエレクトロニクス分野では、松下産業とシヤープを軸とする再編が急ピッチで進みつつある。だが東京の会社は将来展望に欠けるようだ。
 米国における新しき活力は、ワシントンからはるか遠いシリコンバレーにおいて興った。地方の奮起に期待したい。


'08.4.16.朝日新聞

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