散歩道<2318>
経済気象台(322)・信用収縮
今回のサブプライム*1問題の影響はすさまじい。関連損失額は100兆円とも言われ、これらに伴った金融機関の資本増強額も10兆円を超えるだろう。
今後、何と言っても心配されるのは信用収縮の深刻化だ。歴史的に見て、投資資金や金融機関の預金や保険金などを原資として信用創造が行われてきたが、近年新しい金融技術の証券化や流動化の手法を用いて金融機関等はオフバランス化やリスク分散を図るようになった。これにより結果として新たに信用創造が増加することになったのだ。つまり金融機関等は資産である貸付債権を証券化しオフバランス化し、バランスシートを一時的に減少させ、資産が減少した分再度新たな貸し付けを繰り返し、信用創造を増やすことをやってきた。
しかし、ここへきてサブプライム問題からローンに関する証券化や流動化の市場機能が低迷し、信用創造そのものが減少することになった。しかも多くの金融機関が損失処理のために資本を増強している過程では、貸し付けを増やすどころか減少させる傾向にある。つまりサブプライム問題は世界的に証券化市場の機能を麻痺(まひ)させ、信用収縮を助長させてしまうと思われる。これは経済の動脈といわれる金融が収縮することを意味し、これからの経済活動を抑える悪影響となるのだ。
一体どうすればこの困難な状況を乗り切れるのか。日本のバブル*2崩壊後の金融システム安定化策を学ぶべきだろう。つまり早期不良債権処理と金融機関の資本増強であろう。もちろん問題の深刻度に応じて各国当局の素早い判断と決断により公的資金の導入も必要となろう。早く手を打たないと信用収縮は相当やっかいなものとなるであろう。