散歩道<2283>

                           経済気象台(302)・対応策の本命

 サブプライム*1ローンの問題はその実態が見えてくると、まだ序幕の段階であることが分る。短期金融市場の信用収縮と各国中央銀行による流動性の緊急供給、ファンドや銀行などの保有資産の劣化、新規住宅貸し付けの減少、住宅市場価格の反落。これが第一段階とすれば、これから返済条件が厳しくなる住宅ローンの急増によるデフォルトの増加がこの悪循環に輪をかけ、資本の欠損した銀行などの行き詰まり、金融不安を防ぐための資本注入問題が検討され、米国経済も、住宅消費、個人消費の減退を通して不況色が出てくる。ドルは減価し、世界経済にも先行き不安が広がる。米国経済の懐の深さがこの流れを緩衝する面もあるが、こうした第二の団塊は次には世界経済のパワーバランスの変化にもつながる。中国経済のバブルの先行きともからんでこれまでの各国の経済運営の前提は少なからず組み替えられてゆくのではないか。特に日本は米国経済や世界経済の成長鈍化、円高、そして先行きは金利上昇、という条件変化に備えて個々の企業においても国としても戦略を練る必要がある。日本の之までを振り返ると、原油の高騰や繰り返された円高、またバブル崩壊という試練の都度、省エネルギーや生産性の工場、コスト低減など企業の賢明な努力で乗り越えていた。これから、何に注力するか考えておく必要がある。やはり本命は日本の長所の再発見による付加価値、生産性の格段の引き上げを目指すことではないか。そのためには一人ひとりにとって何のための仕事か、何を目指しての会社化、ともに果たしたい目的は何かを明確にし続ける必要がある。その中で分断された人と人の絆(きずな)が修復され、それぞれのもつ個性が発揮され、全体も生き生きとする風土が生まれてゆく。社内教育もそうした観点から思い切って強化する必要がある。

'07.10.4.朝日新聞

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