散歩道<2194>

                     ボランティア・受け入れ側のことも考えよう(2)           (1)〜(3)続く

 私は東京都立八潮高校在任時、これを参考に、福祉施設などでの体験を「総合的な学習の時間」などの授業に組み込んだ。高齢者の話し相手になったり、日常生活の手伝いをしたりする活動と、教室での授業とを交互に行う形だ。社会にどんなニーズがあるかを考える起業家教育の発想も取り入れた。社会にどんな貢献が出来るかを探るのは広い意味で「奉仕」につながると考えたからだ。お年寄りに携帯電話の使い方を教えるとともに、使いづらい部分は携帯電話会社に改善の提案までした。生徒は「お年寄りから人生が楽しくなったといわれてすごくうれしかった」と感激した。今、ボランティアを義務化しようとしている人たちの考え方は「奉仕的な活動をやらせばいい」という域を出ていない印象だ。公園の掃除をさせただけでは、効果は薄いのではないか。今の子供に必要なのは学校以外の他者との人格的なふれあいだ。内発的な課題意識も重要で、下手すると「してやっている」という優越感を植え付けてしまう危険もある。

’06.12.1.朝日新聞・創価大助教授・宮崎 猛氏

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