散歩道<2193>
ボランティア・受け入れ側のことも考えよう(1) (1)〜(3)続く
いじめや、自殺、モラルの低下などの問題は。自分と他者が共に大切な存在であることをわかっていないところに一因がある。教育の場で何らかの社会貢献を体験させることは必要だ。ただ、本質的に自発的であるボランティアを「義務化」するのは言葉自体が矛盾している。「奉仕」の義務化にも懸念を抱く。米国でも90年ごろから、日本と同様の危機意識に基づき、コミュニテイサービスとして地域の公園の掃除や介護施設での補助体験などを、学校が単位を認定する形で教育に組み込む動きがあった。だがボランティアの押しつけであり、勤労奉仕や徴兵制と同じとの批判を招いた。学校で実施する以上、学習の意義を分からせ、学習意欲も向上させたい。そこで米国では90年代半ばから「サービスランニング」という取り組みが行われるようになった。教科と奉仕的な活動を結びつけ、事前や事後、または取り組み中に、生徒が内容を検証しながら進める点が単純な奉仕活動とは異なる。
’06.12.1.朝日新聞・創価大助教授・宮崎 猛氏