散歩道<2192>

                 ボランティア・自由な批判精神(3)             (1)〜(3)続く

 義務づけなくても、社会性を育てる方法はある。まずは学校や排除した異質な者を取り戻し、進んで社会参加に乗り出す環境を整えてやろう。障害を持つ子、外国からきた子、地域の人々、樹木、草花、動物などに学校を開放しようではないか。学校を制度のリズムから、生命のリズムにきりかえよう。そして体験学習を薦めたい。農業や林業の手伝い、障害者やお年寄りの介助など。必修にする必要はまったくない。現行の「総合学習」の時間や課外でも十分可能だ。NPO(非営利団体)やNGO(非政府組織)の力をかりてもいい。一緒に活動した人たちと語らい、成果を評価し合い、反省し、福祉とは、公共とは何かなど考えてもらう。学校教育では、社会参加と学習がセットにならないと意味はない。社会参加と貢献に、大人たちが惜しみない賛辞を送れば、それだけで子どもや若者は生きる自信をつけ、「われもわれも」という雰囲気になる。「もっとかかわりたい」「もっとしりたい」「もっと学びたい」という好循環が」生まれ、学力向上にもつながることを、私はたくさん見聞きしてきた。家族ぐるもで、地域の活動に参加するようにもしたい。子供や若者を国家に たたきなおしてもらおう、などと考えるのではなく、市民の力量で社会参加に誘い込んでいけば、それで十分ではないか。

’06.12.1.朝日新聞・国学院大教授・楠原彰氏