散歩道<2182

                            海水から真水 大モテ(2)                  (1)〜(3)続く
                    
 濾過膜、日本勢シェア5割 中国、廃水再利用で需要増

 コスト減 海水を真水化する方法としては、以前は熟して水分だけ取り出す蒸発法が主流だった。世界で最も淡水化施設が多い中近東では火力発電所と併設した施設が多い。石油で発電し、その熱やその熱や電力で海水を蒸留する工場だ。
 蒸発法は、維持管理が簡単で電力コストが安い利点があった。だが涼しい時期や夜間は発電量を抑えるため、造水量も連動して減ってしまう。00年前後からは、技術が進みコストが下がった濾過膜方式の採用が増えた。
 淡水化用の濾過膜は元々米国生まれ、日本では工場用水などの公害対策で開発が始まり、70年代に引き合いが増えた。しかし対策が一巡すると需要が急減し、日東電工では事業撤退もささやかれた。2度目の絶頂は80年代の半導体活況期。半導体製造過程で必要な不純物ゼロの「超純水」をつくる膜が売れた。
 そして今、世界的な水需要の高まりを受け3度目の成長期を迎えた。新市場として注目を集めているのは中国だ。
 10%前後の経済成長を続けるには毎年新たに日量400万立方bの水が必要とされ、「海水淡水化だけでなく、廃水を再利用する分野で需要が相当拡大してくる」と日東電工見られている。
中国は廃水の水質汚染が深刻なため、日東電工は過酷な使用条件にたえる中国専用膜も開発。同国での逆浸透膜販売で現在、シエア首位を走る。

'07.9.11.朝日新聞


視点:外交戦略に生かせ:この100年のうちに、地球の人口は4倍に増えた一方で、水の使用量は7倍増にもなった。水不足の国は中東やアフリカに集中しているが、今後は中国やインドでも生活に支障が出始めている。事態は世界的に深刻化しつつあるが、水資源豊富な日本では実感に乏しい。水はエネルギとともに国の存立の根幹をなす貴重な資源。水不足を解決する技術は日本の存在感を高める武器にもなる。ここは一つ産官連携で水つくりの外交戦略を描いてはどうか?

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