散歩道<2167>
異見新言・ITと匠の技(3) (1)〜(3)続く
連携させて継承・向上を
繰り返し現場へ
この他にも、私の研究室は、様々な非IT分野との連携を進めている。各取り組みに共通するのは、繰り返しになるが、連携先となる現場に、熟練した何らかの専門家が存在し、その専門家が持つ「匠の知恵と技術」の「継承」と「高度化」を目的としてITを生かす取り組みを行っていることだ。この方向性が、すくなくとも今の時点でにおいて、IT分野が既存産業に最も必要とされるものだと考えている。共通するもう一つの重要なことは、前述の世代ギャップを乗り越えるためにも、それぞれの現場を繰り返し訪問することだ。それぞれの現場で、どのような知恵や技術を継承し高度化するか専門家自身と話し合い、議論するそのことが、その分野でITを活かす正しい情報を引き出すし、専門家からの信頼を受けるためにも必要なのである。私が手がけている事例はまだ一部の分野に過ぎない。既存産業分野への貢献はまだ不足しているものの、日本のIT分野の技術レベルは世界的に高い水準にある。この種の貢献が増えることが、既存産業分野の国際競争力を高め、IT産業自身の活性化を促すに違いない。
'08.1.朝日新聞・慶応大学環境情報学部専任講師・神成淳司氏
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