散歩道<2158>
夕陽妄語・二〇〇七年回顧(3) (1)〜(3)
今では周知のようにこの三国についての指摘は確かでなかったが、三国側にそういう計画があったとしても不思議ではない。NPTの不平等体制は、いつか崩れるだろう。そのために世界は人間の住家として、今よりもはるかに危険な場所となろう。軍縮は機能しない。兵器の実験禁止決議や条約は守られない。より安全な世界を取り返すためには、もはや核兵器を全廃するほかないらしい。核兵器に限らず、2007年は地球温暖化効果ガスの排出制限条約を求めた年でもあった。そして核エネルギーの場合と同じように主権国家の平等原則を尊重しながら国際的合意に達することがいかに難しいかを明示することになった年でもある。(例えばウイーン国際会議)。核兵器ゼロ、CO2現在の半分、どちらも比較的短い数年間に・・・・これが未来の人類生存のための条件ではなかろうか。しかしわれわれの現在の生存が可能なのは、過去の人類のおかげであるばかりでなく、未来の人類の生存保証のためでもある。2007年の世界には何があったのか。生か死かの選択を迫るような状況が相次いだように思われる。○
○ 私の住む世界は三つの同心円からなる。第一の円は日本国内である。第二の円は日本国を包み込む隣接地域、すなわち東北アジアである。第三の円は、世界または地球。その先はわからない。私は第一の円から出発して第二の円を通り、第三の円に向かう。その周辺は,生と死の境である。私は今来た道を逆に遡ることはできない。時間は逆に流れないからであり、死を前提としてそこから何かが始まることはないからである。何かが始まるのは生からであり、全ての感覚、認識、意識、論理や言葉を支えるのは生命である。生命に何らかの価値があるかどうかは分らない。しかし生命がなければ、どういう価値もない。生命は、・・・私の生命は他の誰の生命とも同じように、あのさわやかな風のように、高い空に吹いている・・・・。
'07.12.19.朝日新聞・評論家・加藤周一氏
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