散歩道<2154>

                           美術展・NHK・「美の壷」

 '08.1.17.谷啓さん司会の、美術展・NHK「美の壷」をみる。飾られた古伊万里で歴史と染付技術、見所を説明される。当時の技術からそこに残された職人の指跡、これらの陶器類は、その柄模様が粋で、客人を楽しませようといろいろと配慮され作られたようである。上薬も時の経過と共に、深みが出て来るものが多いようだ。特に魯山人が好んだ織部焼、遊びの精神を中に取り組んだ、皿と料理の空間に描かれた模様や字や絵、食の楽しさをそこに見いだそうとした彼自身が自分の窯で焼いたといわれる鉢類の数々。日本の陶器類は西洋のように観賞用というよりも、手に触って使えば使うほど味が出てくるように作られているところが楽しい。
 次はアールヌーボのグラス、光りの角度により代る模様や色彩の変化や描かれている昆虫など興味新進である。そこに描かれたトンボは今、日本にはほとんど見なくなったと思うとき寂しさを感じる、また、ドーム兄弟の見事な作品は、日本の浮世絵の影響と説明されている雨脚の模様
*1をそのガラスの中に織り込んだ絵など、何時見ても江戸、明治、大正時代の懐かしさを思い出させてくれる。
 男性が好んだ根付に示される粋な遊び心や、又女性の串にも当時のファッションに、当時からブランド品が幅を利かせていたようで楽しい。又、掛軸には、書画に勝ちすぎないように配慮されて作られたという表具師の技術などにも感心。又、ガラス作品は当時は随分外国を感じるものであったと思われる。薩摩藩では、薩摩切子作品を外国貿易に使ったといわれる当時の薩摩藩の経済状況や技術の高さに感心した。
 着物に使われている、江戸や京都の染料とそこに示されている職人の当時の進んだ技術など見せられる。京都の友禅染とその染料の高度の技術
*2、そこには余分の染料を落とす水のよさ(カルシュムが少なく、余分の鉄分を少なくする)があることの説明を聞く。
今日の美術展の印象は、観客にいろいろと作品に関心を持って頂くよう、知識を少しずつ披露しようという意気込みを感じた。

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