散歩道<2151>

                  私の視点・市場化の先に・個人尊重の旗を掲げよ(1)            (1)〜(3)続く

 深刻な財政赤字と高齢化の二重苦を抱える日本だが、どのような経済・社会政策のミックスを選択するかについてきちんとした議論をしないまま、又新しい年を迎えた。
経済改革あるいは市場競争というとアメリカが連想され、アメリカ社会の欠陥が日本でも自動的に再現されるかのようにいわれるが、これは「市場社会」と「アメリカ社会」双方への誤解にもとづいている。この誤解が日本での議論をゆがめている。
 アメリカは市場の競争原理だけで動いているのではない。デンマークのような国では、自由主義的な市場と大きな福祉国家機能が共存している。それと同じように、アメリカでも市場と大きな非営利部門が共存している。経済社会がきちんと機能していくためには、社会が社会として維持される必要がある。国家の福祉機能が小さいアメリカでは、ヨーロッパ諸国で国家が果たしている社会維持機能を大きな非営利部門が担っている。
 

'08.1.10.朝日新聞・ハーバード大准教授・マルガリータ・エステペス・アベ