散歩道<2120>

                         経済気象台(269)・エミッションの経済ー5

「沈黙の春」
 「地球に優しい」とうたう企業PRが多くなったが、どのような商品も地球自体とは関係ない。大気温が数度上昇しても人類の生存環境は脅かされるが、3けた上下しても地球には誤差の範囲ですらない。環境問題とはあくまでこの水惑星に陸封された知的生命種の自己都合に過ぎない。その知的種にとって、今年は環境問題の記念すべき年であった。1、環境汚染を告発した「沈黙の春」の35周年、その著者レイチェィル・カーソンの生誕100周年 2、ローマクラブが人類の成長神話に警鐘を鳴らした「成長の限界」の35周年、その続編「限界を超えて・・・・生きるための選択」15周年 3、「環境と開発に関する世界委員会」が「持続可能な開発」を提言した報告書「我ら共有の未来」20周年  4、オゾン層を破壊するフロンの既成を定めたモントリオール議定書20周年 5、「持続可能な発展」を実現するための「アジェンダ21」を採択したりリオ地球サミット15周年 6、温暖化ガスの削減数量目標を定め、削減メカニズムを開発した京都議定書10周年残念なことに、世界は有効な対策を見いだせないまま今年も終わる。それでも、人類が抱える数多くの環境問題の一つに過ぎないとはいえ、地球温暖化では遅々ながらも前進を遂げた。例えば、アル・ゴアらにノーベル平和賞が与えられ、EUの排出権取引は拡大を続け、オーストラリアは政権交代後直ちに京都議定書を批准した。米国ですら州政府や上院は温暖化規制派に向かい、ブッシュ政権は孤立を深めている。わが国政府は、唐突に「美しい星50」という提案をしたが、環境NGOからは不名誉な「化石賞」を贈られた。環境問題では解決よりは、多く被告席に立ち、断罪されてきた日本政府は、その無策を見透かされ、取り残されようとしている。


'07.12.14.朝日新聞

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