散歩道<2119>

                        経済気象台(268)・下手な大工で切っては継ぐ

 2008年の世界は政治、経済面での主役交代の動きが加速し、波乱含みの中で調整を図る年となるだろう。政治面では、先月オーストラリアが政権交代、韓国も政界再編の渦中で今年末に大統領選挙がある。側近のメドベージェフ氏を後継に指名し「院政」をもくろむプーチン・ロシア大統領の人気は来年5月まで。そして来秋はブッシユ政権が退場する米大統領選挙。又新顔の英ブラウン首相は年内総選挙を見送り、優柔不断を批判され、野党保守党の攻勢が強まっている。サルコジ仏新大統領もゼネストに見舞われ、足元がまだおぼつかない。福田政権もねじれ国会で薄氷を踏むなかで、早晩総選挙が控える。主要国の政治は軒並み瀬踏みか足踏みの年、外交は低迷する。先進国政策当局はサブプライム処理に追われ、景気の先行きに不透明感が漂う中、経済面での主役交代も顕著になる。ドル離れが広がり、ユーロが世界経済をかます基軸通貨の主役を狙う。国際的な資金の流れも変わり、中国マネー、中東マネー、ロシアマネーなどいわゆる国家マネーが幅を利かし、資金の出し手は、日米欧の成熟資本主義国から、これら政府系ファンドを自在にあやつれる中国や産油国など統制的「疑似資本主義」国に比重が移る。国債金融市場では上海など新興国の株式市場が老舗のニューヨークなど先進国市場の取引高をしのぐだろう。最近、シティグループが中東のアブダビ投資庁から75億jの出資を受けたのも、ウオール街の防衛本能の表れだ。資源獲得競争が激化し、プーチン路線のような資源ナショナリズムが強まり、国際石油メジャーなど既成勢力の市場統制力も弱まる。原油高に象徴されるインフレ懸念も高まる。国際政治経済運営が「下手な大工で切っては継ぐ」その場しのぎに陥ると、国際投機筋が漬け込む隙(すき)が広がることも間違いない。

'07.12.12.朝日新聞

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備考:'07.12.26.ある経済学者の予想(民放TV)にて、2008年のグローバルリスク: 1、サブプライムローン、2、住宅着工件数、3、ドルの価格 (原油100ドル/バレル、為替104円/ドル、株価14000円