散歩道<2089>

                          経済気象台(247)・消費者に対する金融知識 

 米国でサブプライムローン(信用度の低い借り手への住宅ローン)が焦げ付いているが、焦げ付いているのは殆どが変動金利型であり、固定金利型は焦げ付いていない。借り手の戦略は、最初の数年間は低金利で借り入れ、金利がリセットされるときに葉上昇した住宅価格でリファィナンス して再び低金利で借り入れるというものだった。あるいは、そもそも金融知識自体がなく、単純に目先の金利負担が軽いから借りたのかも知れない。変動金利型のサブプライムローン増加の危険性は以前から指摘されてはいたが、当局の対応は難しい。FRBとして合理的な消費者行動では説明できないとは思いつつも、住宅価格の上昇がバブルであると100%は断言できない以上、一定の注意は喚起はしつつも、結局は当事者の自由な選択の結果と受け止めるしかなかったのだろう。今回の経験を踏まえて、現在、サブプライムローンの貸手に対する監督強化と、一般消費者に対する金融知識の普及努力の重要性が指摘されている。そうした努力は重要だろうが、将来、同じような問題が発生することを防止できるかというと、筆者は懐疑的である。利用される金融商品は異なっても、バブルの過程で起きているkとはいつも同じだ。低金利が続くと、意識的、無意識的を問わず、自分の体力を超えてリスクをとる経済主体が必ず登場し、経済全体として不均衡が蓄積していく。不健全な消費者の選好は事実として存在するが、消費者の選好は所与とする、というのが経済分析の前提であった。他方、政策当局者は「リスク管理は銀行監督で対応しマクロの経済安定は金融政策で対応すべきだ」と主張している。いずれも、人間の本性に根ざした行動パターンを見ると、観念論を唱えているような印象もぬぐえない。

07.10.18.朝日新聞

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備考:被害:シティバンク150億j(1兆6500億円)、メリルリンチ158億j(1兆6900億円)、JPモルガン34億j(3700億円)2008年1月18日
備考:被害:三菱UFJ 950,  みずほ 3.950. 三井住友 990. りそな 0 中央三井トラス ト 2 住友信託 400. (サブプライム関連損失、億円、07度見通し)asahi sinnbunn 2008年2月1日

備考:散歩道<2086>経済気象台(244)からサブライムローン問題を、継続的に取り上げています。