散歩道<2090>

                          経済気象台(248)・日本の経験繰り返すか

 不動産価格が下がっている。住宅建設は大きく減り、売れ残り在庫が増えている。新車販売も減っている。銀行は不良債権が増え、中央銀行は利下げで金融危機を回避しているアメリカの高リスク住宅ローンの、いわゆるサブプライムローン問題の背後を見ると、いつかどこかで見たものとそっくり。そう、日本のバブル崩壊不況の始まりの頃の姿だ。不動産価格といえば、アメリカでは住宅価格、日本では土地価格が代表だ。アメリカの住宅価格は、権威あるケース・シラー指数によれば97年から10年間上り続くけ、06年のピークで3倍になった後、下がり始めた。日本もバブル拡大で、86年から91年の間に大都市宅地価格は3倍になり、その後14年間下落して帳消しになった。最近までのアメリカの論調は、アメリカは人口が若くて増え続けるので、住宅価格はあがってもバブルではないというものだった。だが、住宅着工は、91年から15年間増え続けて倍増し、05年にピークををつけたあと急落が続いている。ロサンゼルス、シカゴ、マイアミでは、この1年半で住宅売れ残り在庫が倍増した。中古住宅販売も、05年のピークから330%減少し、急落が続いている。アメリカでの住宅不況は当分続き、価格は今後4年間下がり続けるという予測もある。日本ほど深くないにしても、10年上って5年下がれば、りっぱなバブル崩壊だろう。アメリカの消費は、右肩上がりの受託価格を担保に借金することで旺盛だった。住宅価格がさがれば消費も減る。新車販売台数は、05年の1700万台をピークに減り始め、1620万台ペースだ。百貨店売上げも低調になり、実質輸入も減り始めた。利下げにつづき、財務省と金融機関は基金を設立し、成長率見通しも下方修正される。だが日本の経験では、本番はこれからだ。'07.10.19.朝日新聞

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<195>1、公共工事(提案)・2、地震に耐える住宅輸出(提案)、<214>住宅価値向上が景気刺激、

備考:散歩道<2086>経済気象台(244)からサブライムローン問題を、継続的に取り上げています。

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