散歩道<2084>
経済気象台(242)・内発的地域エゴの発揮を
自民党の参院選大敗の反省から、要因の1つとして地域経済の再生が、思い出したように、急に政治課題となってきた。都市と地方に格差が生まれたのは構造改革の結果だけでなく長期にわたって地方に問題が蓄積されてきた結果ではないか。従来の地域振興は、主に工場誘致と補助金・交付金という最もイージーな中央依存の方法に長年、頼ってきたとことがいまや財源難、公共事業のカットの時代、従来のようにはいかない。小泉改革時代に補助金の廃止・縮減、税源移譲、交付税を一体的に見直す三位一体の改革が行われたが、十分ではなかった。このため政府は地域再生法の推進や中小企業活性化策の検討をしている。だが、いつか来た道の感を免れない。ところで、地域活性化に長年携わって、「地域エゴ」という言葉が深く胸に突き刺さっていた。高度成長に乗り遅れていた大阪経済の主要経済指標は、その全国に占める地位が年々低下していた。いわゆる大阪の経済的地盤沈下である。この回復を目指して、道路交通網、下水道など産業基盤、生活基盤の整備計画を実現するため、産官のオール大阪が一体となって政府予算の確保のため積極的な陳情活動を例年、展開した。その際、中央政府の回答は、大阪の沈下論は自己の地域にしか通用しない地域エゴであると、なかなか認めない。中央の論理優先である。今ようやく十分とはいかないが、地方でできることは地方でという考えのもとで、構造改革特区事業が始まった。地域エゴを発揮できる環境が整いつつある。地域内の知恵と資源をますます活用して自力発展策を進めないと、自治体の倒産につながりかねない。こうならないためには地方行政の役割りを自立支援の体質に改革し、財源難と新しい政策余地のなくなった地域活性化の新しい出口を早く探ることが緊要である。
'07.10.朝日新聞
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