散歩道<2081>

                         けいざいノート・民主主義による平和(4)                   (1)〜(4)続く

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 この問題を解くには、国民と政府の関係構造を分析する必要があると思われる。
 たとえば、独裁国の政府は、戦争で国民が死ぬのもいとわないので好戦的になるが、民主国の政府はそうは行かない。国民の側も、国民同士の横並び意識によって、独裁体制の下では戦争のコストを小さいと認識する、ということもあるかもしれない。たとえば、戦前と戦後の日本のように。
 その分析には、経済学のモデルの助けが有用だ。すでに、政府と国民の関係を独占企業と消費者に見立てた研究などはある。さらに経済学には、代理人理論で株主(国民)と経営者(政府)の関係を分析する研究や、ゲーム理論を使って社会慣習の形成を分析する研究もある。こうした最新の知見も使えないだろうか。
 どのような条件のときに民主的平和が実現するか。経済モデルを使った理論研究は、現実の外交や国際政治の基本姿勢を構想する上で有益な知識をもたらすかもしれないのである。


'07.11.24.朝日新聞・経済産業研究所上席研究員・小林慶一郎氏