散歩道<202>
無理解・無知・無関心
米国の何が問題なのか (入江明 ハーバード大教授の朝日新聞・15.3.3.思想21から)
1、2001年同時多発テロ当時、各国の同情を集め、世界と米国が一体となったに見えたときから僅か2年足らずで、国際社会とアメリカとがすっかり離れ離れになってしまったようである。これは世界にとってもアメリカにとっても悲しむべきことである。
2、そこでは「世界への関心薄い市民・独断的外交よりも深刻」と報告されている。世界情勢、例えば中近東やイラクについてのある程度の理解にもとずく支持というよりもむしろ無理解、無知による場合が多いのではないかという。現在最も深刻なのはアメリカ人が海外に出かけていって帝国主義的な振る舞いをするというよりも逆に彼等が内向的になり、世界への関心度を低めているという傾向があるように見える。イラクの民主化といった派手な方針が国民一般に支えられているというよりもむしろ市民の多くは無関心で孤立主義的ですらある。世界と共存するアメリカと言う意識が弱まっている結果、そのような自己中心主義的な意味での個人主義の風潮の高まりや、国際社会への関心度の低さが、現在一番の問題だと思われる。
3、幸いアメリカには伝統的に存在してきた開放性と国際主義の流れがある。その流れは教育制度のなかに見ることが出来る。「アメリカの学校制度は子供たちが世界市民となるように準備するためのものである。全ての子供が学ぶ米国から、やがては世界の将来を作る世代が輩出してくるであろう」と世界大戦前夜米国を訪れたドイツの小説家ホリチャーは「米国旅行記」の中で述べている。外国に対する無知や、無関心は米国だけの問題ではない。米国批判に終始して結果的に国際社会との距離をますます広げたり、米国にならって一国中心主義になったりする代わりに、世界中の国際主義者は団結して無知と偏見に抵抗していくべく、努力を重ねるべきであろう。
4、フロウン・ダバディー様の話から(かれは日本サッカーチームのトルシェ監督の通訳をしていたフランス人といえば皆様思い出すでしょう、将来は映画監督になることだそうです)NHKの「スタジオから今日は」の番組で(14.12月頃と思うが)次のように言っていたのを聞いていました。(彼は今までに14、5カ国に住んだことがあるということです)。そこでわかった事は人は相手を知らないために、相手を理解できないのだ。相手を知れば人間は相手の考えていることは必ず理解できるものである。今、アメリカ人やアラブ人が相手の国のことを悪く言うのは相手を理解していないからです。相手を理解するよう世界の人は努力すべきです。このことが本当の世界平和につながるということを話していたのを記憶しています。
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