散歩道<2019>
けいざいノート・広がる賃金格差(3) (1)〜(4)続く
情報化の進展が影響か 新技術に沿う教育改革を
格差の拡大で、アメリカでも市場経済システへの不信が高まっているらしい。特にグローバル化が原因だという考えが広がり、反グローバリズムと保守主義の経済政策への支持が高まりつつある。
経済学の研究では、格差拡大の原因として、三つの要因が検討された。労働組合の弱体化、技術変化(情報化の進展)、と貿易の深化(グローバル化)である。
しかし、労働組合の弱体化と格差拡大の時期は合わないし、アメリカ経済に占める貿易のインパクトは小さい。やはり、格差拡大の主因はコンピュータの普及などの技術変化だとする見方が主流だ。
コンピュータの普及が、単純事務職などの中間層の仕事を奪い、また、情報化に適応した人と適応できない人との間で賃金格差を広げているのだと思われる
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世界的な格差拡大の潮流はどうなっていくのだろう。
格差拡大は、技術体系の大きな変化の時期に特有な、過度的な現象だという説がある。その場合、産業構造の変化が一巡すれば、今後、再び賃金が平準化して格差が縮小する可能性はある。
しかしそれまで待てない高齢者や中高年労働者などの弱者に対しては、対症療法として所得再配分政策が必要かもしれない。(アメリカでも、グローバル化への支持を維持するためにも再配分を主眼としたニューディール政策が必要、との主張がある)
'07.9.29朝日新聞・経済産業研究所上席研究員・小林慶一郎氏
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