散歩道<2018>

                           けいざいノート・広がる賃金格差(2)                 (1)〜(4)続く
                    情報化の進展が影響か  新技術に沿う教育改革を

  だとすると、現座の格差問題は、一つの政権の政策路線の結果としてできた短期的な問題ではなく、首相が変わって簡単に解決できるようなことではないだろう。また、産業構造の大きな変化が格差の要因だとすると、現在の格差問題は、これから30年、40年と続くような息の長い経済問題かもしれない。

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 アメリカの格差の状況を見てみよう。
 70年から80年にかけて、多くの賃金が下落し、労働生産性も低下した。学歴による賃金格差が開き、低学暦の労働者の賃金は下がり、高学暦の人の賃金は上昇した。さらに同年代・同学歴の間でも格差が広がった。
 90年代に入ると、低所得層の賃金下落は止まったが、中間層の没落が顕著になった。低賃金と高賃金の雇用が増える一方、中程度の賃金の雇用が減り、現在まで労働者の二極化が進んでいる。
 さらに最近は、21世紀に入ってからいっそう格差が広がっている、という私的もある。ここ数年、医師や弁護士など上位4%の所得が激増し、残りの96%の人々(大卒や高卒以下の普通の人)は所得が低下しているという。

'07.9.29朝日新聞・経済産業研究所上席研究員・小林慶一郎氏