散歩道<2017>

                            けいざいノート・広がる賃金格差(1)                 (1)〜(4)続く
                     情報化の進展が影響か  新技術に沿う教育改革を

 格差問題(特に賃金格差やワーキングプアの問題)は、日本では一昨年ごろから大きく取り上げられるようになり、小泉時代の構造改革が原因と論じられることが多い。しかし、世界的に見ると、賃金格差は、遅くとも90年代には欧米で深刻な社会問題になっていた。
 アメリカでは70年代まで賃金格差が縮小傾向にあったが、70年代を境に現在まで賃金格差の拡大が続いている。ヨーロッパでも同じような傾向が見られる。(ドイツでは賃金格差は比較的小さかったが、近年は拡大傾向にある)
 こうした傾向を見ると、日本の賃金格差も、世界的な経済の構造変化によって引き起こされた、不可避的な現象かもしれない。これまでは、平等主義的な日本型経済システムが欧米のような格差の広がりをおしとどめてきたのだろう。それも限界に達し、欧米から20年遅れて、格差拡大の潮流に突入した、ということだろうか。
 

'07.9.29朝日新聞・経済産業研究所上席研究員・小林慶一郎氏

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