散歩道<2008>

                                 講演会豊臣期大阪図屏風(2)               (1)〜(2)続く
                

 休憩を挟んで、その後、 形式はパネルディスカッション:各先生が専門の立場からこの屏風について、いろいろの指摘と、意見が発表された。大阪図屏風は夏の陣、冬の陣とも合戦の屏風で、市民を主人公に取り上げられた屏風は珍しい。 それらの発表:1、ここに描かれた絵の中に、大阪が9割方描かれているのに、左端の部分が宇治や石清水八幡宮と判断される、又、(まだ見つかっていないが)右にもう一つの曲一双の屏風があったのではないか。(この指摘には意見が分かれる)、2、鷹匠は豊臣秀吉が好んで描いている、しかし、これは春の季語でもある。桜は春、紅葉は秋、数多く描かれるものは、象徴的に記号化されているものも多い事がある。3、天守閣の最上階の五層は望楼式(外に出られる形の様式かどうか)である、このような類似性により、同じ種類の物かどうかの時代を特定し、判断の材料としている。4、大阪城は、北の方向から見るように全部絵には描かれている。5、古さについての判断は顔の色(つや)や、金箔の変色の度合(金箔のはり具合)いから判断している。6、この絵に豊臣家の栄華をここに描き残したかった、加藤清正等がいたはずである、一方、徳川家は大阪が華美に描かれることを抑えようとしたことも事実である。7、一双の屏風に、建物を別の角度から見たまま描いたり、河の流れが正しく書かれていなかったり、又、四季を一画面の中に書き込んでいこうとすることはよくあることだ。8、(何しろこの屏風に初めてお目にかかったという先生が多かったため)今後、専門の先生の美術史家として又、工芸史家としての立場から見ることも必要である。

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講演会豊臣期大阪図屏風・講師・州立博物館ヨアネウム総監督・ベーターバケッシュ氏ドイツケルン大学教授・フランチェイスカ エームケ氏、エツゲンベルグ城博物館主任学術員バーバラ・カイザー氏、大阪城天守閣研究副主幹・北川央氏、同志社大学文化情報部教授・狩野博幸氏、関西大学教授・高橋隆博氏