散歩道<1993>

                   私の視点・自民総裁選(4)・「説得型政治」へ転換できるか                  (1)〜(4)続く

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 先の参院選で民主党が多数派を占め、国会にねっじれ現象が起きた。これは問題ではあるが、同時に日本にとって新しい政治のチャンスだと私は見ている。
 自民党支配が続いてきた戦後の日本では、事実上、初めて与野党が議会という公開の場で論じ合い、説得し、妥協し、合意を形成していく機会が生まれたと言える。自民党の新総裁は、このチャンスを生かさなくてはならない。
 生かさなければ、政権から退場を迫られよう。小沢民主党にも同じことが言える。自民党が強行採決を繰り返し、民主党も何にでも「ノー」を突きつけるとすれば、国民はどちらにもそっぽを向くだろう。
 例えば、テロ対策特別措置法。議論を尽くして妥協を見いだし、日本が責任ある行動がとれる新法を作ることができるかどうか。目先の戦術としてではなく、高度な政治戦略として合意を形成する「説得型政治」に道が開かれる必要がある。
 非常に難しいだろうが、前向きに、楽観的に取り組めば、日本の政治は新しいよい方向に向かうだろう。


'07.9.17.朝日新聞・米コロンビア大教授・ジェラルド・カーティス氏