散歩道<1991>

                   私の視点・自民総裁選(2)・「説得型政治」へ転換できるか                  (1)〜(4)続く

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 しかし、その小泉政治を受け継いだ安倍晋三さんは大きな錯覚をおかした。安倍政党の失敗は、小泉パーソナリティー政治が新しいシステムとして定着したかのような幻想のもとで政治をやろうとしたことに尽きる。「戦後レジーム
(体制)からの脱却」など、党内でも国民レベルでも合意が出来ていない方向に引っ張ろうとして頓挫した。
 自分が信じる道を突き進めば、小泉政治のように、国民も付いてくる。それが強力なリーダーシップだと安倍さんは勘違いした。その結果、柔軟性という本能を失いかけ、硬直した方向に向かってしまった。
 次の総裁が、硬直性を受け継げば安倍政治の二の舞いとなる可能性がある。それを党の生存本能が嗅ぎ取り、柔軟性へと舵を切ろうとしているようだ。福田優勢の流れは安定感、バランス感覚、中道、慎重さへの選択とみていい。
 

'07.9.17.朝日新聞・米コロンビア大教授・ジェラルド・カーティス氏