散歩道<1971>
9・11テロと米社会・6年後の苦悩と模索(2) (1)〜(3)続く
同時多発・9・11事件・7年目
一色出ない戦争批判
6年後のアメリカはイラク戦争をめぐって2つに割れている。6割が「イラクへの米軍派兵は誤りだった」と応えたが、なお4割が「誤りではなかった」としている。同じ世論調査でも、民主党支持者は81%が「誤り」と応えたが、共和党支持者の数字は76%が「誤りではなかった」としている。国を守り、米国の価値観を守る戦いに逡巡(しゅんじゅん)すべきでないという強い思いがある。来年11月米国では大統領選挙が行われる。「ブッシュ氏の戦争」に対する批判が大勢なのは当然だろう。特に民主党の候補者は政権を鋭く批判しよう。だが、民主党にしても「即時全面撤退」ととられるようなことを口にする者はいない。ヒラリー議員は「責任ある、注意深い撤退を」といい、戦争批判の急先鋒として人気を集めるオバマ氏も「よい選択肢はない。悪い選択肢とさらに悪い選択肢があるだけだ」と述べる。とにかく兵を引けといった、無責任な主張を出来ないのはもちろんだ。同時に、出口戦略を語るときの歯切れの悪さには、あの戦争へのこだわりをどこか捨てきれない、米国社会の「迷い」が投影されているのではないか。
'07.9.9・朝日新聞
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