散歩道<1955>     

                       補助線サブプライム危機(2)・ババ抜きの行く方は?        (1)〜(2)続く

 借り手の信用を調べて貸すという当たり前のことがおろそかにされた。「ノーインカム、ノージョブ、ノーアセットでもOK]というNINJAローンまで登場したという情報もある。
 延滞したら担保の住宅を売って回収すればいい。そんな安易な融資をあおったのがローンの証券化ではないか。
 金融機関にとって危ない融資は命取りになる。ところが転売してしまえば危険は消える。証券会社が買ってくれるから、危ない融資への抵抗感が薄らいだ面もある。証券会社は「原材料」のサブプライムを仕込んでビジネスにした


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 格付け会社の責任も問われている。「安全確実」のお墨付きともいえる「AAA」をつけた証券まで大きく値下げしている。「どこかおかしい」と思いながら銀行は高利回りへと突進するヘッジファンドにカネを出し続けた。
 
「金融のプロの出来事」という見方もある。しかし、ローン会社、格付け機関、証券会社、銀行の安易な持たれあいのなかで、目先の利益ばかり追う商売が危機を起こし、世界を不安に陥れたのではないか。
 過剰なマネーが株や住宅を乱舞させた空気がしぼむ。モラルなきババ抜きはサブプライムだけか。「金融工学を駆使した」といわれる他の複雑系投資商品にも飛び火する恐れもある。

 '07.9.2.朝日新聞編集委員・山田厚史氏

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備考:ノーインカム、ノージョブ、ノーアセット収入なし・職なし、資産なし、