散歩道<1954>     

                       補助線サブプライム危機(1)・ババ抜きの行く方は?        (1)〜(2)続く

 「腐りやすいものほどおいしい」といわれる。ハイリスク・ハイリターンの世界で高利回りを求めれば、危ない投資に手を染めることになる。
 日本勢でいち早く低所得者向け住宅ローン(サブプライムローン)の証券化に取り組んだ野村ホールディングスは、1〜6月で726億円の評価損を出した。
 「米国子会社が現地の住宅ローン会社から勝手保有していた」という。そこで聞いてみた。

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 投資ですか?「いいえ。住宅ローン担保証券(RMBS)を作るため仕込んだものです」。証券化の原材料?「そうです。証券化して機関投資家やヘッジファンドに売りました」。どれぐらいうりましたか?「3月末で2100億円あった残高が6月は700億円になりました」。3ヶ月で1400億円分打ったわけですね。「そうです」これまで打った総額は?「公表していません」
 金融界は最後に損をつかんだものが悪い、という「ババ抜き」の世界とも言われる。自己責任という言い方もある。
 モノ作りの世界なら、他社から買った部品の不具合でも、欠陥車を売ったメーカーが責任を問われる。金融界では「欠陥品とリスクは違う」というが、サブプライムローンは金融の原則に照らしても欠陥があったのではないか。
 

'07.9.2.朝日新聞編集委員・山田厚史氏

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