散歩道<1933>
経済気象台(210)・エミッションの経済ー2
「推定有罪」
アル・ゴアの「不都合な真実」や、今や エコの伝道師に変身したカリフルニア州知事に先導され、米国ですら温暖化ガス規制に向かい始めた。最新の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)も地球温暖化が放置できない水準になっていると警告した。それでも,温暖化ガスが人類に悲惨な被害をもたらすというのは、依然科学上の推論に過ぎず、「推定有罪」にとどまる。安倍首相も、得意科目とも思えないエコに突然目覚めたかのように「クール・アース50」を提唱し、CO2の「1人1日1`削減」という国民運動を打ち出した。不祥事が相次ぐ閣僚たちに目標値を申告させるのは、忠誠心を強いる役には立つだろうが、このような運動は、経済効率を無視し、環境問題で最も重要なイノベーションも誘発しない。同じ環境問題でも、政府は被告となった数多くの公害訴訟で「推定無罪」はおろか、有罪判決や限りなく黒に近い灰色の和解勧告にさえ抵抗し続け、時折、長引く訴訟で老齢化し窮乏する被害者側に付け入る形で政治決着という名で負担をケチッてきた。政治家のご都合主義にはあきれてしまう。官僚も又、敗訴は税金という国民負担を強いることになるという都合のよい論理で、半世紀にわたり公害問題の先送りを続けてきた。その間にも着々と栄進を遂げ、天下りのワタリを繰り返し、高額の退職金と年金を得ている。官僚たちの高笑いと、悲惨な被害者の状況を対比するとき、世に公平などないと分かっていても、貧困なる政治には言葉を失う。一度、国民に聞いてみればよい。無駄遣いで垂れ流される税金の一部でも、「ふるさと納税」のように特別税や寄付で公害賠償金を支払ってよいでしょうか、と。公害訴訟に関与した閣僚・官僚の責任追及と抱き合わせれば、驚くほどの金額が集まるだろう。
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