散歩道<1897>

                     米発 住宅ローンショック(2)・信用不安世界駆ける            (1)〜(3)続く
       
  
だがニューヨーク株式市場の株安は10日午前にも泊まらなかった。金融株を中心に売り注文が広がり、ダウ平均株価の下げ幅は一時200ドル超まで拡大。連日の大量資金供給にもかかわらず、大手金融機関同士の資金の貸し借りでは「FRBのほかに貸し手がみつからず、資金が取れない」との声もあがるほどで短期金利はFRBの誘導目標を上回る水準に張り付いた。これを見たFRBは、10日2度目の供給となる160億ドル(約1兆8800億円)を投入した。
 日米欧の金融当局による必死の資金供給は9日の欧州銀行(ECB)から始まった。「金融機関からの申し出に100%応じる」と事実上無制限の資金供給に踏み切り、2日間で計約1560億ユーロ(約25兆1千億円)も供給。米同時多発テロ直後の01年9月以来となる異例の処置だ。
 「もはや適正な評価はできない」。今回の世界的な市場の動揺は9日、仏大手銀行BNPパリバがサブプライムローン問題の影響で傘下のファンドの一時凍結を発表したのがきっかけだ。「まったく想定外の金融機関に飛び火した」(日銀幹部)。ECBが「火消しは初動が肝要」(関係者)と先陣を切り、日米欧の中央銀行が大規模な資金供給で足並みをそろえた。そんな素早い中央銀行の連係プレーにも、市場では「他の大手も損失を抱えている可能性があるのでは」との観測が広がる。米では9日、最近の相場変動の影響で米最大手証券ゴールドマン・サックス傘下に多額の損失が出ていると一部で報じられた。

'07.8.11.朝日新聞

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備考:*1(サブプライムローンは、クレジットカードなどの返済が遅れたことのある人や低所得者向けの住宅ローンだ。米国では住宅ブームに沸いた03年ごろから急増し、融資残高は住宅ローン全体の1割り程度の約1兆3千億円ドル(約150兆円)まで膨らんだ。