散歩道<1898>

                     米発 住宅ローンショック(3)・信用不安世界駆ける            (1)〜(3)続く
       
  
国発の「サブプライムローン*1(低所得者向け住宅ローン)ショック」が9日から10日に駆けて世界を駆けめぐった。米国に続いて欧州の大手金融機関の関連損失が表面化し、信用不安が金融危機につながるのを防ごうと日米欧の中央銀行が協調して大量の資金供給したが、市場の動揺は収まっていない。米では利下げ観測が強まり、日本銀行が伺っていた利上げの時期にも大きな影響を与えそうだ。

日銀利上げ「見送り説」も

 「日本の金融機関に深刻な影響が懸念される状況にはない」。山本金融相が記者会見でそう語った10日午前、あおぞら銀行はサブプライムローン関連商品の保有残高が約210億円あり、4〜6月期決算で約45億の評価損を計上したと急きょ発表した。野村ホールディングはすでに関連事業で今年上半期に726億円の損失を出した。
 関連商品の残高が一時500億円あった、みずほフイナンシアル・グループは10日、自社ホームページで影響が少ないことを強調。三菱UFJフイナンシアル・グループは3千億円、三井住友フイナンシアルグループは1千億円ある。投資対象は大きな損失に結びつきにくい「高い格付けの商品中心」(大手行)とされるものの、金融庁は「金融機関のリスク管理状況を中止する」(山本金融相)と監視を強める姿勢だ。
 一方、国内の金融市場では10日、有力視してきた日本銀行による8月利上げについて「見送り説」が急浮上した。
 日銀は22、23日金融政策決定会合で、利上げの是非を議論する見通し。米国経済に同様が広がれば、景気拡大を続ける日本経済の先行きに黄信号がともりかねない。
 世界的な信用収縮が続けば、金融引き締めととられる利上げに日銀が踏み切れるかどうか、ますます難しくなる。週明け以降の市場の動向が日銀の判断を左右しそうだ。

'07.8.11.朝日新聞

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備考:*1(サブプライムローンは、クレジットカードなどの返済が遅れたことのある人や低所得者向けの住宅ローンだ。米国では住宅ブームに沸いた03年ごろから急増し、融資残高は住宅ローン全体の1割り程度の約1兆3千億円ドル(約150兆円)まで膨らんだ。