散歩道<1873>

                    歴史は生きている。日中対等の姿になれる時期(3)            (1)〜(3)続く

 これに続く日本の敗戦は戦争の1部だが、区別して強調したのは、様々な変化が起きたからだ。日本では敗戦がきっかけで民主主義のプロセスがはじまった。また、敗戦後も色いろな問題がおこったままになっている。アジア諸国との関係もそうだし、まだ処理されていない問題がある。
 アジアの冷戦の象徴は朝鮮戦争だが、そうした具体的な出来事よりも、長期にわたって続いた状況を重視したい。日本はアメリカ一辺倒となって中国と対立した。中国の政策も冷戦から出発していた。そうした状況が本当に変化したのは、1989年の冷戦終結だった。この間、中国の文化大革命や日韓の国交樹立もあった。なかでも中日の国交正常化は重要だ。これによってアジアの冷戦は緩和に向かった。一方で中ソ対立と米ソ対立は激化した。これらは冷戦の大きな背景の中で起きたことだ。冷戦終結後、中国経済がテークオフする一方、日本経済は低迷期に入った。1990年代以降、中国が強くなって日本と対等になっている傾向は注目される。両国の国民は、その目に映る相手の姿にまだなれていない。この構造変化に適応する時期が、現在始まったと言える。

'07.8.1.朝日新聞・中国社会科学院近代史研究所長・歩平氏

備考:歩平氏が選んだ10大出来事とは、アジア地域の「開国」、日本の明治維新と日露戦争、中国の辛亥革命、中日戦争、太平洋戦争、日本の敗戦と冷戦の始まり、中華人民共和国の成立、中日の国交正常化、冷戦の終結、東アジア諸国の経済発展と政治構造の変化、

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