散歩道<1862>
参院選の結果を読む(4)・政治の季節の復活 (1)〜(4)続く
若者の思いと自民の歴史的大敗
元若者と軋轢(あつれき)懸念
このこと自体は、たとえナショナリズムに基づいた保護主義を呼び出す可能性があるとしても、一定の正当性を持った主張として評価されるべきだ。だが他方で、旧来の右も左も「既得権」であり、状況を打開するには破壊しかないとする過激な意見が、ネットなどを中心に目立つようになってきている。事態が深刻なのは、その主張が過激だからではなく、景気回復を当て込んで「標準的」ライフコースへ滑り込むことを期待する現役若者世代と排除された元若者との間に、大きな軋轢が生じる可能性があるからだ。
乗り損ねた元若者たちは、ますます「自分たちの世代だけが損をした」との思いを強くし、よりドラスチックな変化を望むようになるかもしれない。新自由主義改革は、日本が生まれ変わるために必要な痛みだったのか、日本的システムを維持するために特定の世代を犠牲にする緊急処置だったのか。自民党の歴史的大敗を、昨年の総選挙に続く有権者の「歴史的選択」として省察する視座が必要だ。
'07.7.31.朝日新聞 社会学者・鈴木 謙介氏
備考:今回の参議院選の結果に対する、若い人から見た報告を紹介します。