散歩道<1861>
参院選の結果を読む(3)・政治の季節の復活 (1)〜(4)続く
若者の思いと自民の歴史的大敗
ナショナリズムの行き先
本来なら今回の選挙は、日本をかっての保護主義的福祉体制にもどすのか、市場主義と共存する新しい体制にむかわせるのかということを私たちに問うはずだった。反自民票の中にも、地域間の格差拡大などでかっての自民党政治への期待が裏切られたことに対する憤りと、論功行賞と呼ばれるよな内輪での政治を行い、小泉改革以前の古い自民党に先祖返りしたことへの失望の二つがある。
私たちの多くは「古きよき日本よもう一度」と「変わらなければ未来はない」という考えの間で揺れ、答えを出せないでいるのではないか。
その逡巡は例えば若年雇用にも現れている。 そもそも、戦後日本の福祉を中心となって支えたのは、国ではなく企業だった。それゆえ、不景気の間に正社員になることができなかった現在30歳前後の元若者たちは、「標準的」な人生そのものから排除されることになった。はじめのうち企業に対して正社員としての雇用を求めていた彼らも、近年、自分たちのおかれた状況が構造的、政治的問題であるということが明らかになるにつれて、最低賃金引き上げなどの制度改革を要求するようになった。
'07.7.31.朝日新聞 社会学者・鈴木 謙介氏
備考:今回の参議院選の結果に対する、若い人から見た報告を紹介します。