散歩道<1829>

                             社説・盧溝橋事件70年(1)              
 (1)〜(4)続く
                                 もう1歩、踏み出す勇気を 

 ちょうど70年前の1937年7月7日、北京郊外の川にかかる橋の近くで発砲事件が起きた。盧溝橋事件である。この争いをきっかけに日中戦争は拡大の一途をたどり、太平洋戦争を経て、日本は敗戦を迎える。
 いまも盧溝橋は健在だ。建造されたのは12世紀と言われる。当時のものがどこまで残っているのかは分らないが、重厚な石造りや欄干に並ぶ獅子像は長い歴史を思わせる。
 そのほとりの村に、抗日戦争記念館がある。事件をはじめ日中戦争の歴史についての展示が並んでいる。先生に連れられたこどもたちや人民解放軍の兵士たちが学習に訪れる。時折、日本からの観光客も足を伸ばす。
日中戦争の「起点」
 「七七事変」。盧溝橋事件を中国ではこう呼ぶ。満州事変が起きた9月18日と並んで、7月7日は民族屈辱の日として記憶されている。その後、45年まで続く悲惨な日中戦争の起点との認識だ。
 いま多くの日本人が戦争を振り返る時、思い浮かべるのは真珠湾攻撃の12月8日であり、敗戦の8月15日だろう。中国人にとって今日という日は、それに匹敵する記憶を呼び起こす。七夕を祝う日本とは大違いだ。 
 

'07..7.7.朝日新聞