散歩道<1825>

                          私の視点・久間発言と核政策(4)                    (1)〜(4)続く
                             
「廃絶も抑止も」から脱せよ

 難しい課題には違いない。抑止によって安定が保たれえいる状況で核を削減すれば、むしろ不安定が増大する危険もある。そもそも、核保有国に核削減を求めることが極度に難しい。
 だが、これが不可能だと考えるのであれば、核廃絶という呼びかけにも根拠がない。
 新しい展開もある。今年1月にキッシンジャー元米国務長官などが核拡散防止と招来の核廃絶を求める声明を発表した。核保有国が核を削減しなければ核拡散を防止できないという判断も、ようやく広がってきた。
 北朝鮮ばかりでなく中東への核拡散が懸念されるいま、運動ではなく政策として軍縮を進める意味は大きい。それができないかぎり、核に頼りながら広島・長崎を訴えるという矛盾を私たちは抱え続けるだろう。

'07.7.5.朝日新聞・東京大教授・藤原帰一氏

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