散歩道<1805>

                        人を恨み仕返しをしてはいけない(3)                     (1)〜(3)続く 
                             慎重姿勢から積極発言へ

OBサミット「宗教の危険性」踏まえ

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 浄土真宗本願寺派は、国内最大規模の伝統仏教団で、教団トップの大谷門主は温厚篤実な人柄で知られる。政治や紛争に関する発言は少なく、海外で発言するのは初めてだ。西本願寺の重要行事である20、21日の「降誕会」
(こうたんえ)(宗祖・親鸞の誕生日の法要)と重なったが、渡航を優先した。
 現地でインタビユーに応じた大谷門主によると、今回の発言の伏線は。05年の立命館大での討論にあるという。宗教と戦争のかかわりを学生から質問されたのを機に「宗教そのものに危険性があるのではないと思い直し、平和に積極的に貢献するのが宗教者の責務と考え始めた」と話す。
 05年には、西本願寺を狙った右翼団体会長の放火未遂事件も経験。靖国神社へ首相参拝に浄土真宗本願寺派が反対したためだが、「どんな理由があれテロは許されない」との思いも強くしたという。
 さらに昨年夏、京都に宗教指導者らが集まり、世界宗教者平和会議(WCRP)が開かれたことで「宗教をめぐる争いのない日本は、宗派間の紛争を調停できる貴重な立場にあると痛感した」。ただし、大谷門主は急病で開会直前に欠席し、練り上げた開会挨拶は幻に
終わった。その思いを抱いて、今回参加した。
 今年春には、
立命館大での討論などをもとに現代社会と仏教を考える『世のなか安穏(あんのん)なれ』(中央公論新社)を出版し、宗教者が市民にわかりやすく語りかける大切さを強調した。ウイーンで実践した格好だ。大谷門主がスピーチで引用した釈迦の教えは、23日に発表された大会声明に盛り込まれ閉幕した。「ありがたいことです」。感想はあくまで控えめだった。

'07.5.26.朝日新聞・浄土真宗本願寺派(西本願寺)の大谷光門主氏

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